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稻田雅彦

 その松陰の一大転換点となるのは、嘉永4年(1851年)から翌年にかけての東北遊学旅行において、水戸藩の尊皇攘夷思想家、会沢正志斎や豊田天功から受けた衝撃でした。松陰はここで初めて、自分は日本を知らないことに気付かされたのです。その時の気持ちを松陰は次のように綴っています。「身皇国に生まれて、皇国の皇国たる所以を知らずんば、何を以て天地に立たん(我が身は、天皇をいただく日本に生まれながら、我が国の我が国であるいわれを知らないのであれば、何をもって天地に立つことができるであろうか)」。
 

稻田雅彦

 松陰のこの東北旅行は、手続きの不備のために藩法を犯したとされ、松陰は約8ヵ月間、自宅蟄居を命ぜられます。この蟄居期間中、松陰は徹底して日本の歴史を学びます。まず『日本書紀』40巻、次いで『続日本紀』30巻、更に『続日本後記』20巻、『文徳実録』10巻、『三代実録』50巻、『日本逸史』40巻、『令義解』10巻等々、すさまじい気迫で国史を学んでいきました。それと同時に、この蟄居時に初めて松陰は、軍学師範としてではなく、親戚や近所の者たちを対象とした松陰個人の教育を始めます。松下村塾の萌芽です。
 

稻田雅彦

 安政5年(1858年)12月、処刑される約10か月前、松陰は獄に赴く前に松下村塾への祈りの如き願いを次のように詠っています。「松下陋村(ろうそん)と雖(いえど)も、誓って神国の幹とならん(陋村=田舎の村)」。
 松陰を変え、松下村塾を誕生させ、明治維新を成就させた原動力は、日本の歴史でした。松陰が国史を学んでから亡くなるまで、わずか7年。それで、あれほどのことが成し得たのです。本当の日本の歴史を学ぶこと――それこそ、私達が第二の人生をかけてやる価値のあることの筆頭ではないでしょうか。

後がない者

我々は既に学ぶことは済んでいると思います。要は実行です。 
福島原発事故後に、某東大教授は原子力発電や放射能の危険性を言っています。では何故それまで言うのであれば、職を賭してまで(一般的生活は遅れなくなります)原発事故前に言わないのですか。某京大助教授(給与は講師並み?)を見習え。
江沢民元主席は今本当に生きているのでしょうか。参考:子曰く「過ちて 即ち 改むるに 憚ることなかれ」。 
すなわち実行とは平成の時代には難しいのです。 既得権益者を全て敵に回すのです。反体制人は狙われて抹殺されます。江戸時代と同じ。 明治の田中正造(足尾銅山鉱毒、城山三郎著:辛酸)も同じ。平成も同じ。
正しい信念を実践できる「若者」(名誉も金も命もいらない)を緊急に金がなる人が育てるべきです。(年寄りは体力・気力もなく、守りに入っています)
 

稻田雅彦

「後がない者」さん、こんにちは。

 Wmodeで自由民犬さんが、(松陰先生に大きな影響を与えたという会沢正志斎の)「『新論』を読もうと思って漢字読み下し文にチャレンジしたのですが、これが難しくて、難しくて、とりあえず口語訳から入らざるを得ませんでした」と書かれていました。小生、最近、松陰先生の原文(漢字読み下し文)を読んでおりますが、まだごく一部に過ぎません。まして、『日本書紀』『続日本紀』等々は1冊も読んでいません。つまり、小生自身、本当の日本を、国史を、知りません。ですので、もっともっと学ばねばならないと思っております。
 また、小生のフィールドである為替などの経済政策を考えるに当たりましても、例えば最近は、効率的市場仮説が米経済、さらに日本経済に及ぼした影響を検証する必要があると感じつつ、その研究も進んでおりません。
 現代社会は極めて複雑に専門化していて、多くの分野において、素人では何が正しいのか、到底判断できなくなっています。ですので、少なくとも自分が関わっている世界における学び、探求を、欠かすことはできないと思っております。
 もちろん行動は大切ですが、かつて内ゲバリンチ殺人にまで及んだ赤軍派も、信念に基づいて行動した若者でした。そういう歴史を鑑みましても、行動には学びが不可欠であると、小生は思っております。
                      稻田雅彦

稻田雅彦

細かな訂正です。

上でザックリと「赤軍派」と書きましたが、リンチ殺人、正確には「連合赤軍」です。

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