豊かな心を持っていた江戸時代の人々。しかし、そのよき伝統は現代社会では失われているように思えます。日本人の心はなぜ壊れてしまったのでしょうか。そもそも日本人の心を作ってきたものは何でしょうか。
歴史的経緯から振り返ってみたいと思います。
A.日本人の心を形作ったもの
1.「神仏儒の摺合」
「神道」=自然崇拝
「仏教」=経典を伴う東洋思想
「儒教(朱子学)」=現実世界の教え(国家形態や社会秩序など)
日本にもともとあった自然崇拝(アニミズム)がやがて神道となった。その後、中国から東洋思想としての仏教が入ってきた。
この異なる2つのものを取り入れたとき、日本人の間でも混乱があった。そこで聖徳太子が、神道と仏教のどちらかを排除するのではなく、両者を摺り合わせ融合させた(神仏摺合)。これが、日本人の精神を形作る原型となった。
さらに江戸時代になると、徳川家康が「社会秩序」のために儒教(特に朱子学)を奨励した。ここで、これまであった精神世界の教え(神仏)に現実世界の教え(儒)が融合した。これが、武士の精神形成の基盤となった(=武士道、葉隠など)
(続きます)
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