ネット松下村塾ブログ

「日本人の心」はなぜ壊れたか（２）

皆様お待たせいたしました。
本日より、本格的にネット松下村塾を始動します。
できるだけ毎日更新いたしますので、どうぞ今後とも宜しくお願いいたします。
まずは、「日本人の心はなぜ壊れたか」の続きです。
「日本をもう一度江戸時代に戻そう！」（第二海援隊）をテキストに見ていきたいと思います。

前回の記事はこちら

２．「象徴天皇制」＝「権力」と「権威」の分離

西洋などでは権力と権威が一体＝絶対王政が主流だった。そのため権力の暴走を止める仕組みがなかった。

一方の日本では、実際の「権力」（摂関家の藤原氏、征夷大将軍など）の上に「権威」としての天皇があった＝象徴天皇制。そのため、権力の暴走に歯止めがかかり、全体としてバランスがとれていた。

権力と権威の分離は、支配階級である武士の行動規範ともなった。西洋では土地の領主（＝貴族）が、権威と権力の両方を握っていた。結果として経済力も握ることになったため、貴族対庶民という対立構造が生まれた。

しかし江戸時代の武士は領地から切り離されて、「経営」と「統治」のみに職分が限られていた。さらに、「武士は食わねど高楊枝」といった「金を稼ぐことはむしろ恥」という思想があった。

そのため武士は幼少の頃から、金勘定をしないのが良しとされる教育をされていた。

支配階級は「財力」を持たず、庶民に対しては「権威」を担う存在だった。そのため、汚職や腐敗が起き難い統治システムになっていた。（続きます）

１０月１日（水）「日本をもう一度江戸時代に戻そう！」出版記念講演会

０８年１０月１日（水）「日本をもう一度江戸時代に戻そう！ 記念講演会」開催決定！

お手本はすべて江戸時代にあった。江戸時代のシステムで日本を再生しよう！

『日本をもう一度江戸時代に戻そう！』の出版を記念して、０８年１０月１日（水）に東京・御茶ノ水にて講演会を開催させていただきます。

日本にはいま閉塞感が漂っています。上向かない景気、年間３万人を超える自殺者、幸せを感じられない日々の生活・・・・・・。西洋科学文明や資本主義が行き詰る中、完全循環型で永続可能な社会システムがありました。それが「江戸時代」です。当日は著者の浅井隆と監修者の飛岡健先生が、現代の日本の問題を解決できるヒント満載の「江戸システム」について、分かりやすく解説いたします。ぜひお誘いあわせの上ご参加下さい。

■講演会の主な内容
・世界が称賛した江戸時代の文化
・完全循環型のエコ社会
・江戸システムが世界をリードする
・日本人の精神性はなぜ崩壊したか
・江戸時代はどうやって出来上がったか　他
・討論会「江戸システムを実現するために」

詳細はこちら

http://dainikaientai.weblogs.jp/blog/2008/08/post-d752.html

私達がやりたいこと

日本を変革し、より良い日本の将来を築き上げるためにはどうしたら良いでしょうか。私達は、「世のため人のため」という高い「志」をもって行動することが、その目的を達成する唯一の方法ではないかと考えています。

高い志を持った行動とは、どのようなものでしょうか。私達はそのモデルの一つを「江戸時代」に見出しました。

「日本をもう一度江戸時代に戻そう」（浅井隆著／飛岡健監修／第二海援隊）の中で紹介していますが、「武士道精神」や「江戸しぐさ」に代表される通り、史上最も「高い精神性」があったのが江戸時代だったと私達は考えています。

この高い精神性に支えられた「完全循環型・永続的なエコ社会」「豊かな自然の中で磨かれた感性」「物質的には豊かではないが、人間味あふれる心豊かな生活」「豊かな心と感性が生み出した今に残る数々の文化」などが、江戸時代にはありました。

この「江戸システム」は、現在の閉塞した日本の現状を打ち破る大きなヒントが含まれています。

そこで、「江戸システム」の伝統を引き継ぎつつ、現代の状況に合わせた「現代版江戸システム」を実現するために、実際にキャンペーンやイベントを行なって、“実験”していきたいと考えています。

例えば・・・

①　完全循環型エコ生活第一弾「石油を一カ月使わない生活」

②　教育改革「寺子屋の授業を再現してみよう」

③　徴兵制ならぬ「徴農制」を政策提言してみよう！

などのテーマを決めて、それを実現させるためにはどうしたら良いか皆様からアイデアを募りたいと思います。

また、「これなら協力できる」「私はこんな人を紹介できる」「一緒にやりたい」といった、ご協力いただける皆様も募集しています。

皆様もぜひ、ご協力ください。

※　詳細は随時、当ホームページで御紹介いたします。

趣旨説明

日本の将来には、閉塞感が漂っています。相次ぐ異様な事件、企業の不祥事、教育や社会制度など山積する問題、そして国家ビジョンなき政治の混迷・・・。

もう政治や行政に頼ってはいられません。私たち一人ひとりが立ち上がり、具体的な行動をとる時代になったのです。

私心や野心ではなく「日本の将来のため」という「志」をもって行動する人材が今、求められています。

◇

かつて幕末の時代、吉田松陰は松下村塾で塾生たちに「草莽崛起（そうもうくっき）」を提唱しました。これは、動乱の幕末期の日本を救うため、草莽＝草の根の民衆たちが立ち上がり、日本を変革するために行動する、というものです。

松下村塾は、ひなびた田舎の小さな私塾、それも松陰が教えていたのはわずか１年半ほどでした。しかし、高杉晋作、久坂玄瑞、山県有朋、伊藤博文、山田顕義ら、明治維新を切り開き、新しい時代を創った綺羅星の如き人材が輩出されたのです。彼らが師より学んだのは、たんなる知識や技術ではありません。

「私心を捨て世のため人のために行動する」という志と熱意を受け取ったのです。

一人の青年の「志」が、新しい時代を創ったのです。

◇

私たちは、今の時代こそ「吉田松陰」そして「松下村塾」が必要なのではないかと考えました。日本の将来のためには、志をもって行動する人材やリーダーが必要です。そうした人材を育てる場が必要なのです。

そこで、今日、「ネット松下村塾」を立ち上げた次第です。

ネット松下村塾の「ネット」には、インター“ネット”と人同志の“ネット”ワークの両方の意味が込められています。

インターネットを使って、議論や情報発信、意見交換を行なうだけでなく、議論したことを皆様と一緒に実践していきます。

私達の目標は、「日本人の高い精神性を取り戻す」こと、「日本の将来のリーダーを輩出すること」こと、そして「日本を変革すること」です。

この壮大なプロジェクトに、ぜひ皆様もご協力ください。

■「日本人の心」はなぜ壊れたか

豊かな心を持っていた江戸時代の人々。しかし、そのよき伝統は現代社会では失われているように思えます。日本人の心はなぜ壊れてしまったのでしょうか。そもそも日本人の心を作ってきたものは何でしょうか。

歴史的経緯から振り返ってみたいと思います。

Ａ．日本人の心を形作ったもの

１．「神仏儒の摺合」
　「神道」＝自然崇拝
　「仏教」＝経典を伴う東洋思想
　「儒教（朱子学）」＝現実世界の教え（国家形態や社会秩序など）

日本にもともとあった自然崇拝（アニミズム）がやがて神道となった。その後、中国から東洋思想としての仏教が入ってきた。

この異なる２つのものを取り入れたとき、日本人の間でも混乱があった。そこで聖徳太子が、神道と仏教のどちらかを排除するのではなく、両者を摺り合わせ融合させた（神仏摺合）。これが、日本人の精神を形作る原型となった。

さらに江戸時代になると、徳川家康が「社会秩序」のために儒教（特に朱子学）を奨励した。ここで、これまであった精神世界の教え（神仏）に現実世界の教え（儒）が融合した。これが、武士の精神形成の基盤となった（＝武士道、葉隠など）

（続きます）