「日本人の心」はなぜ壊れたか（９）

ここまで、「日本人の心」が形作られた経緯と、その崩壊のきっかけについて見てきました。

江戸時代に育まれていた「日本人の心」。これが壊れていった大きなきっかけが、明治維新でした。日本人の心を育んでいた「神仏儒の摺合」「自然環境」「コミュニティ」。西洋科学技術文明を取り入れるために、これらを捨てた日本は、富国強兵に突き進みます。

それでもまだ、「日本人の心」は完全には失われていませんでした。江戸時代に生まれ育った人、その人に育てられた人が大勢いましたし、昔ながらの自然、生活、コミュニティも残っていたからです。

しかし、こうした残された「日本人の心」を、決定的に破壊してしまったのが、「太平洋戦争敗戦」でした。

ここからは、太平洋戦争敗戦から戦後、そして現在に至る「日本人の心の崩壊」について見て行きましょう。（続きます）