(※ 第一部 浅井隆講演「なぜ『日本をもう一度江戸時代に戻そう!』を書いたのか」の続きです)
明確な目標のない混迷の時代には、「お手本は歴史にしかない」と浅井は言います。そして江戸時代には「どんな庶民でも『幸福』というものはどんなものか知っていたのではないか」と続けます。
江戸時代の残した最大の成果のひとつが「武士道」です。これを元に「商人道」「職人道」「農民道」といった職業倫理や道徳、日本人の人生哲学と言ったものができました。
このような高い精神性を基盤にして、物はなくても心は豊かな生活を江戸人は送っていたのではないでしょうか。
戦後日本が貿易・技術立国として経済発展できたのは、日本の製品に高い技術と信頼性があったためです。これも武士道、商人道という価値観が残っていたからではないでしょうか。
明治維新によって日本は植民地支配を逃れ、欧米列強に伍する発展を遂げました。この功績は認めつつも、「そのとき作られた中央集権体制の弊害がいま出ている」とします。
そして、「本当の幸せとは精神的な幸せ。これを創るための文化、社会、生活様式が必要」と語りました。
「江戸とはひとつのビジョン。反論も大いに結構。その代わり『対案』を出して欲しい」と議論を呼びかけた上で、「そろそろ本当に国家ビジョンを創らないといけない」と言って、第一部講演を締めくくりました。
(続きます)
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