第一回、第二回では、「日本人の心」を形作ってきたものについて語りました。
次に、江戸時代の武士の「精神性の高さ」を物語るエピソードをいくつか御紹介しましょう。
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B.日本人の精神性の高さの例
◇「世界一の軍事力」を自ら捨てた!
戦国時代、日本は鉄砲保有量世界一(=軍事力世界一)だった。当時のフランスが3000丁の鉄砲を所有していたのに対して、日本には3万丁もの鉄砲があった。国内生産も盛んに行なわれ、安土桃山時代には鉄砲の生産量、使用量とも世界一だったと言われる。
しかし江戸時代に入ると武士達は、鉄砲を捨てて、再び刀を手にした。
軍事力の面だけで見れば、刀より鉄砲の方が圧倒的に有利。しかし武士達は、「遠くから狙い撃つ鉄砲は卑怯」と考えた。そこで、同じ戦うにしても、「人と人がじかに接する」刀が、武士の武器となった。
軍事力の増加が続けば、その行く末は、拡大主義・植民地主義になる。高い精神性を持っていた武士達は、その先に破滅が待っていることを知っていた。
軍事の専門家である武士達が、自主的に「軍縮」を行なった。これは世界史的に見ても、特異な例と言えるだろう。
高い精神性が軍事の暴走の「抑止力」となったのだ。(続きます)
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