江戸時代に、町中に水道が張り巡らされていたって言ったら、みんな驚くかい?
江戸っ子の自慢のひとつが水道水。
実は江戸にある井戸は地下水じゃない。水源地から樋を地下に通して、町中の井戸にきれいな水が流れ込む仕組みになっていた。
これは江戸の立地が関係している。
元々江戸の街は、海沿いの沼地を埋め立てたもの。だから、井戸を掘っても塩っ辛い水しか出てこない。
かと言って、川の水をいちいち漉して使ってたんじゃ手間がかかる。
というわけで、きれいな美味い水を引いて来ようってんで、家康公が江戸に入ると上水整備の工事を命令した。
湧き水なんかの綺麗な水を、地面の下を通した樋に流すだけ、という仕組みだ。
その後も、人口が増えるに連れて、新しい上水道を整備していった。神田上水(神田、日本橋方面)、玉川上水(江戸城、四谷、麹町、赤坂方面)が代表的な例で、他にも、青山上水(麻布、六本木)、千川上水(本郷、浅草方面)、三田上水(三田、芝浦方面)、本所上水(本所、深川方面)があった。
以上が江戸の六上水。
このように一年中、一日中、いつでも使える水道設備があったのは、当時は世界で江戸だけ。つまり世界最先端の仕組みだった。当時の花の都ロンドンでも、水道が使えたのは、週3日七時間だけだったそうだ。
当たり前だが100%の天然水で、井戸で水を汲むとたまに鮎なんかが入っていた、というから風流なものだろう?
現代では天然水って言うと、スーパーかコンビニで買うものだが、江戸の人たちは毎日それを普通に使っていた。見方によっては、現代人よりずっと贅沢してってわけだ。
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