お江戸がどんな時代だったか。
ここからは、江戸っ子のおいらが語らせていただこう。
◇「江戸時代はどんな時代?」
江戸時代というと「封建的な身分制度」で「自由がない」、「武士が威張って庶民の生活は苦しかった」という悪いイメージがあるだろう。
しかし、これ実は「後から作られたもの」なのだ。
幕府が滅びたのち、明治維新は「徳川の数百年はよくない時代だった」と盛んにPRした。もちろん、新政府が良いということを庶民に知らしめるためだ。
当時の意識はまったく違った。何しろ当時の人にとっては「明治維新」ではなく「幕府瓦解」という想いの方が一般的だったからだ。
その後、小説や時代劇などで、重い年貢を取り立てられる農民や、悪代官と組んで私腹を肥やす悪徳商人などが繰り返し描かれた。
お話し物だから、面白おかしく勧善懲悪に書いた方が人気も出る。しかしそのせいで江戸時代=時代劇のイメージが定着して、必要以上に「悪い時代」と感じる原因になったというわけ。
歴史的に見ても、「新しい政権=滅ぼした政権」は、「滅ぼされた政権」を悪く言うのが常套手段。だからこそ新政権側は「自分たちはその悪しき政権を倒したのだ」と言って、国民を納得させなければならないのだ。
こんなことは世界中のどの国でも起きているし、日本も例外ではない(現在進行形でやっている国もあるようだが)。
こうしたイメージにとらわれず、史実をもとに見ていけば、江戸時代の日本人は快適に生きるための素晴らしい知恵をふんだんに持っていた。
そして、その知恵を生かして、機能的で素晴らしい社会を築いていたのだ。しかも、さまざまな分野で当時の「世界のトップ」を独走していた面もあるのだよ。(続きます)
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