当時世界一多くの人が住んだ江戸の街。さぞゴミゴミとしていただろうと思いきや、実は世界一クリーンな都市だった。
というのは2つ理由がある。ひとつは「幕府がゴミ問題に徹底して取り組んだ」こと、もうひとつは「リサイクルが徹底的に発達した」ことだ。
多くの人間が住む都市では、それだけゴミもたくさん出る。しかしゴミが溜まると見栄えが悪いし、第一不衛生で病気も流行る。
というわけで、幕府は「江戸クリーン化作戦」に乗り出す。下水道のゴミ捨て禁止や川岸付近のトイレの撤去、下水上のトイレ禁止など、次々禁止令を出して、汚水が川を汚すのを取り締まったわけだ。
不法投棄も厳しく取り締まった。家庭のゴミは共同のゴミ捨て場に集め、それからゴミ集積場に持って行き、最後は舟で永代島(隅田川の河口)に運んで埋め立てに使った。人口がどんどん増える江戸の街で、ゴミは土地を増やすのに一役買ったわけだ。
ゴミの埋立地なんて言うと、さぞ最近のことかと思うかも知れんが、実は江戸時代にはすでにやっていたことなのさ。
そもそも江戸時代には、ゴミなんてものが今よりずっと少なかった。それには「リサイクルの徹底」という理由があるが、そいつは次回にまわそう。
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