今から4年以上前の経済トレンドレポート2005年11月20日号で、私は「『人口減少社会』の末路は想像不能な国家破産だ!」という少々刺激的なタイトルの小論を発表しました。
その中で当時既に井堀教授が次のように発言しているのを伝えています(3ページ目真ん中の行)。「私(井堀教授)も最近試算をしたが、結果は松谷さん(政策研究大学院大学教授)が指摘したように、数年後から日本のマクロの経済規模は縮小するということになった。よほど楽観的な技術進歩を想定しない限りは、少子化で労働市場に入ってくる人の数が減り、貯蓄率もどんどん低下していくので、GDPはやがては減らざるを得ない」。
つまり、「かもしれない」ではなく、日本が慢性的なマイナス成長に陥ることは覚悟しておくべき、少なくともそういう可能性が大きいことは十分頭に入れた上で財政政策は考えねばなりません。
慢性的なマイナス成長ということは、基本的に慢性的に税収が減るということを意味します。
であるならば、何としても財政規模を膨らましてはなりません。
前述した経済トレンドレポート2005年11月20日号の4ページでは、次のような極めて重い松谷明彦政策研究大学院大学教授の言葉を伝えています。
「これからやるべきことはどんなことをしても支出を削減することだ。それが可能かと言われれば政治的には非常に難しい話だと思うが、そうしなければ破綻する」。
再生日本21
執行役員 稻田雅彦
稲田さん、こんばんは。
昨今の国民給付型財政政策は、確かに短期的な性格が強すぎます。
この手は何度も使えません。次は、現実的に(切実な問題でもある)税収不足に対して、どのような国家運営をしていくのかが現政権に求められるでしょう。
国民のどれだけが楽観的な景気回復を期待しているかはわかりませんが、もはや人口構成上、少子高齢化は不可避です。
凄まじい速さで変わっていく社会に対応した税制、政策が求められます。
財政政策は、日本の国家としての“信用”の要です。
連立政権という協調路線よりも、今は政治的なリーダーシップの下、一致団結した政策があるべきだと思っています。
投稿情報: 紺碧海岸 | 2010年2 月 6日 (土) 21:59
「これからやるべきことはどんなことをしても支出を削減することだ。それが可能かと言われれば政治的には非常に難しい話だと思うが、そうしなければ破綻する」。
正にそうだと思うのですが、鳩山首相の優柔不断さ、相も変わらず「金の問題」で不毛な議論を続ける政治状況。政権交代したくらいではまだ生ぬるい、とは分かっていたもののやはり現実の政治はやはり本当の危機感がないと言わざるを得ません。
先日、書店で「財政赤字で大変だと騒いでいるが、過去に破たんした国は対外債務を莫大に持っていたからであり、今の日本は外国に膨大な債務がないのだから、悲観論は間違っている」というものがありました。確かに、戦争をしているわけでもないのに、これだけ膨大な債務を抱えた国家運営は世界史上でも例がないから、本当に何が起こるかは分からないのかもしれませんが、「八ツ場ダム」のような関東地方の一公共事業ストップですらこれだけ苦労しています。変に危機感を見ない様にするのではなく、厳しくても現状を踏まえる必要性(国家のことだけでなく、自分自身のことも)を痛感しています。
志塾3期生
山本晃司
投稿情報: 山本晃司 | 2010年2 月 8日 (月) 10:11
管首相は当然この事を踏まえて首相に成られたと思いますが、松谷教授や井堀教授の意見に即して、官の贅肉を落とす大手術を断行されることを今度の参院選に公約していただきたいと進言いたします。
投稿情報: W.M | 2010年6 月22日 (火) 16:40