今回、少し長くなりますが、あまり延び延びになっても読み手の方の関心が薄れるかなと思い、残り分全部掲載します。
今、民主党は「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げています。
非常にウケのいいキャッチフレーズですね。
しかし、人にお金を付けるというのは国民を既得権者にすることです。
誰でも一度得られた権利を削られるのには抵抗します。
まして今の日本は、“公”という意識が失われ“私”の権利意識ばかりが幅を利かす社会、そういう愚民に媚びる衆愚政治といっていい状態だと思いますので、
松谷教授が言うようにそれを削るのは「政治的には非常に難しい」のは間違いありません。
そして、「そうしなければ(=削らなければ)破綻する」というのも間違いないでしょう。
日本航空は破綻に至ってようやく、年金の削減(OBで30%、現役社員で53%)に合意がなされました。
愚かなことです。
途中で何とかならなかったのか……。
日経新聞は昨年12月6日付で「『日航』は日本を映す鏡」、今年1月18日付で「日航は『あすの日本』か 危機見えても手を打てず」と伝えました。
今、日本は税収は減る中で、社会保障費は膨張し続けています。今後も膨張し続けるのは間違いありません。
そして、ついに破綻に至って(IMF管理下ででしょうか)ようやく、社会保障費3割減、5割減となる……。
その道を確実に進んでいるように思われてなりません。
2月1日の日経1面にも「社会保障財源6兆円不足 11年度」と出ていました。
井堀教授が言うように、財政改革の本丸は社会保障だと思います。
社会保障費の「痛みを伴う改革」をなすためには、
私たち自身が、この国のために、自らの既得権益を削ることを是としなければならないと思います。
これに対し、「まず政府の無駄遣いをなくしてから」という声をしばしば耳にします。
一見正論に聞こえますが、
いつまでもそういうことを言って問題をズルズルと先送りする姿勢は、まさに日航と同じ「危機見えても手を打てず」だと思います。
社会保障に関しては、
右肩上がりの時代に作られた制度が少子高齢化・人口減少時代には「もたない」ということを、
まずしっかりと認識すべきではないでしょうか。
再生日本21
執行役員 稻田雅彦
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